2008年04月24日

アジアでのコメ価格急上昇-2008/04/01


商品バブル崩壊説が台頭しているとは言え、トウモロコシや小麦など世界で穀 物価格は急上昇しており、日本でも今月から政府による小麦の受渡価格値上げで 生活に影響が出始めている。2 月の消費者物価指数は 1.0%上昇と約 10 年ぶりの 上昇率となったが、食料品全体でも 1.2%の上昇を示している。但し、その中で も日本の主食であるコメ価格は、農業保護政策の名残もあり 2007 年の過剰生産 を政府が買い上げて価格下落を止めるという特異な構造が続いている。


先物市場のない日本のコメ市場は、JA 全農が予想する市場での販売価 格に基づいて決定される。2007 年産から、一部実勢価格を反映させる形 で農家への支払いを行う制度に変更したとは言うものの、世界の情勢か らは全く隔離されたシステムであることに変わりは無い。だが海の向こ うでは、主な生産国が国内供給を優先させて輸出を禁止する政策を打ち 出した為に、コメの市場価格が他の穀物同様に急上昇し始めた、と FT 紙が報じている。

先週、コメの主要産地である中国とインド、エジプト、そしてベトナ ムがコメ輸出を制限すると発表し、アジア市場に大きな影響を与えてい る。特に最大の輸出国であるエジプトは国内コメ価格の上昇を抑える為 に正式に輸出禁止を決定、輸入に依存するフィリピンが国際市場での買 い付けを始めると発表したことから、1 月には 1 トン当たり 380 ドルで あったタイ産のコメ価格は一気に 760 ドルにまで上昇、コメはアジア社 会を揺さぶる不穏な材料になりつつある。

中国やインドがコメ輸出を制限した背景は、エジプト同様に国内イン フレへの警戒感であるが、輸出を禁じたところで新興国のインフレ傾向 は止まらない。コメだけでなく穀物全体の価格上昇が新興国経済を襲う のは避けられない見通しだ。だがインフレ阻止の為に果敢に利上げする のは新興国政府の望むところではない。新興国のインフレが先進国経済 をどう蝕んでいくのが深刻な問題になりつつある、とFT紙は警告する。

米国市場は、2 月コア PCE 価格指数が前年同月比 2.0%上昇に止まっ たとして、インフレに楽観的なムードを示している。日欧は米国より警 戒的ではあるものの、先進国の生産調整済み物価指数は 3.3%程度に収 まっている。一方で BRICs の同指数は 8.0%にまで上昇しており、これ が全体を引き上げる方向に作用し始めるのは時間の問題だ。コメ価格は その傾向を象徴する一つの要素である。この面からも米国の更なる金融 緩和には大きなリスクが伴うだろう。


posted by ルナパパ at 12:44| グァム ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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